JIA 日本建築家協会 全国大会京都2009 「京」の佇まい、、はんなりと --受け継がれる人と建築

お知らせ・レポート

お知らせ・レポート > お知らせ , セミナー・会議・シンポジウム > 25年賞シンポジウムのお知らせ

25年賞シンポジウムのお知らせ

2009年9月 8日
JIA25年賞シンポジウム/『時空を超える建築』


はじめに

JIA25 年賞は今年で第9 回目を迎えます。JIA は以前から多様化する価値基準の中で建築が果たすべき本質的な役割をあらためて確認するとともに、次世代につながる建築のあり方を提示することを活動の目的としてきました。生まれたばかりの建築を評価する賞が多いなか、JIA25 年賞はその建築が社会資産としてどれだけの歴史を築けてきたか、また、その建築の命を持続させるために関係者がどれだけの努力をして来たのかということを問うているのです。
サステナビリティが叫ばれている現代に於いて、本賞の価値を広く一般にも周知していきたいとの主旨から、本年も昨年に引き続き大会にてシンポジウムを開催致します。今年のシンポジウムではJIA25年賞の設立意義を確認しつつ、建築と時間との意味を格調高く纏められればと考えています。

JIA25年賞シンポジウム
日 時:2009年10月3日(土)10:00~12:00
会 場:みやこメッセ 特別展示場B(定員100名)

9:30 開場
10:00-10:45 基調講演『時間の中の建築、建築の中の時間』 松隈洋氏
10:45-12:00 シンポジウム『時空を超える建築』

パネリスト:松隈 洋 氏(京都工芸繊維大学/教授)
      : 山名善之 氏(東京理科大学/准教授)
コーディネーター:小川広次(小川広次建築設計事務所/建築家)

 yamana.jpg ogawa.jpg
パネリスト
松隈 洋 氏
(京都工芸繊維大学/教授)
パネリスト:山名善之 氏
(東京理科大学/准教授)
コーディネーター:小川広次
(小川広次建築設計事務所
/建築家)

昨年はシンポジウムのテーマを『建築の評価と顕彰のあり方』として、日本近代建築史家である大川三雄氏(日本大学教授)に『顕彰制度の歩みとJIA25年賞の意義』と題して基調講演をお願いしました。制度としての顕彰と具体的な作品選考に関する考え方等を「時間」という概念を隠されたテーマとして、各々立場の異なるパネリストに活発に議論をして頂きました。他のパネリストは、編集者としてご活躍されている石堂威氏(元、新建築・GA JAPAN 編集長)、建築家を代表して表彰委員会で委員長を務められている横河健氏にお願いしました。
今年はさらに核心に触れるような企画としました。シンポジウムのテーマは、ずばり「時空を超える建築」です。基調講演として「時間の中の建築、建築の中の時間」をテーマとして松隈洋氏(京都工芸繊維大学/教授)にご講演頂きます。近代建築以降、現代建築までの工業化以降の建築と、それ以前のいわゆる「建築家なしの建築」との、つくり方の根本的な違いや現代建築の課題などについてお話しを伺い、そうした中からJIA25年賞の意味を探っていきます。
その後、山名善之氏(東京理科大学/准教授)をパネリストに加え、ル・コルビュジェ設計の上野の国立西洋美術館及びこれに対面する前川国男氏設計の東京文化会館やその周辺で生じている様々な現実の問題にスポットライトをあて、「文明の記憶装置」であるはずの建築が置かれている現代日本の社会状況も含め活発な議論を尽くしたいと願っています。コーディネーターである私も積極的に参加し、現実の問題と建築家の関わり方や次世代につながる建築物のあり方をJIA25年賞の意味も含めて皆さんと考えて行きたいと思っています。
近代建築は歴史遺産と成り得るのか。
継承すべき建築を次の世代に伝える方法とは。

いま我々が獲得すべき強き「意思」とは何なのか。

posted by JIA京都会 |category ; お知らせ , セミナー・会議・シンポジウム