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子供たちがつくる現代鉾 ワークショップリポート01 京都市立石田小学校6年生
10/4の「子供たちがつくる現代鉾」のワークショップが石田小学校を皮きりに、
先日7/24第1回目のワークショップが行われました。
これから、朱雀第三小学校、御所南小学校、宇多野小学校、高倉小学校、
梅小路小学校、紫竹小学校と7校計8グループのワークショップが夏休み期間中、
開催されます。いったいどんな独創的な鉾が出来上がるのか、今から楽しみです。
まずは、初回担当者の萬野さんからレポートが届きました。
7月24日(金)友引
いよいよ子供たちとのワークショップがはじまった。
先陣は2チームがエントリーをしている京都市立石田小学校6年生である。先陣をきってと言うと聞こえが良いのだが、我々の準備期間が無い事などおかまい無しで、この日が決まった。
手探り状態でのスタートである。まず子供たちが鉾のボリュームを理解するために原寸大の平面図を準備したのだが、驚く気配はない。「建築家とは」と熱弁しても感動する様子は無い。最近の子供は、こんなものかと少々肩を落としながら、2方向の立面と平面が描ける様にレイアウトしたスケッチシートに「とにかくアイデアを出しましょう」と子供たちに投げかけた。
すると、なんとなんと、えんぴつが走る走る。夢中で絵を描く。担任の先生は「勉強はともかく、この手の事に関してすばらしい集中力がある。」と子供たちを信頼して言う。勉強はともかくと言うが、全員が机に向って集中して作業する事が出来る。少々大げさであるが、日本の明るい未来を垣間見た瞬間だ。
実は石田小学校は「動くおもちゃ全国大会」でグランプリ2連覇達成など、頼もしい実績があった。
また、学校にほど近い世界遺産である醍醐寺の春祭りに「をどり」で参加するなど、学校外での活動も活発である。なるほど、数人の女の子が教室の引き戸を入ってから席に着くまで、スッテプを踏んでいた。
そんな話を聞きながら、早々にテーマを決める材料も出そろった。僕の予想を大きく超えて「町の祭りや学校の活動を鉾に託す」という建築らしいテーマが浮かび上がってきた。鉾の名称は秘密だ。この日は、予定の時間を20分も残してワークショップを終了した。
7月28日(火)
本日は子供たちのアイデアをまとめて鉾のバランスを整える事を予定している。プレイベントの建築家展に出展した、我が現代鉾の写真を実物大に引き延ばして廊下に張付けた。ようやく子供たちが大きさを認識したらしく、驚いていた。
原寸の2分の1のスケッチシートを用意したが、ほとんど役に立たなかった。理由を話すと長くなる。この日の成果は解りにくい。しかし、この子供たちの描いたスケッチの山を整理し、鉾の下地をデザインする事が、僕の仕事の様である。
午前中に石田小学校のワークショップを終え、夕方からこのイベントに協力して頂く「京都芸術デザイン専門学校」でレクチャーを行った。子供たちを指導するスタッフの初顔合わせである。この学校は「ここは学校ではない、デザインオフィスである」をキャッチフレーズにしている。従ってArchitect and Associates のチームが出来上がったわけである。
京都市教育委員会、京都芸術デザイン専門学校、そして日本建築家協会の産学官連帯イベントの活動が水面から顔を出して動き出した瞬間である。
report by萬野光雄
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